Please enable JS

樹脂成形コラム

2023年4月5日 プラスチック製品の製造方法
 2023年4月5日
プラスチック製品の製造方法には、以下のようなものがあります。

1.射出成形法(Injection Molding): プラスチック原料を高温・高圧の状態で金型に注入し、冷却固化させて製品を作る方法です。一般的に、高い精度と大量生産が可能です。

2.押出成形法(Extrusion Molding): プラスチック原料を高温・高圧の状態で金型に押し出し、形成する方法です。主にフィルム、シート、管などの製品に使われます。

3.ブロー成形法(Blow Molding): プラスチック原料を高温・高圧で加熱した金型内に注入し、膨張させて製品を作る方法です。主にボトルや容器などの製造に使われます。

4.真空成形法(Vacuum Forming): プラスチック板材を加熱して、金型にかけて真空をかけて成形する方法です。主に、カップやトレイ、パッケージなどの製造に使われます。

5.圧縮成形法(Compression Molding): プラスチック原料を金型に入れ、高温・高圧で加熱圧縮して製品を作る方法です。主に大型の製品や高強度な製品に使われます。

6.ロータリーキャスト成形法(Rotational Molding): プラスチック原料を金型に入れ、回転しながら加熱して製品を作る方法です。主に大型の製品や形状が複雑な製品に使われます。

以上が一般的なプラスチック製品の製造方法です。それぞれの方法には、特徴や利点がありますので、使用する原料や製品の用途に応じて最適な製造方法を選択する必要があります。

このうち1番は当社社内で設備している成型法です。2番から4番までは当社の企業ネットワークで対応可能で最も合った成形法をご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。
2023年3月6日 3Dプリンター導入しました
 2023年3月6日
こんにちは、今回は3Dプリンターを導入したことをご紹介いたします。
当社ではこれまで、製品のプロトタイプを作成する際には、クライアントの要望に合わせたCAD図面を作成し、それを外部のプロトタイピング会社に発注していました。しかし、その際には時間とコストがかかり、スピーディーな対応が難しいという課題がありました。
そこで、3Dプリンターを導入することにより、プロトタイプ作成のプロセスを効率化することができると考え、導入を決定いたしました。
今回導入した3Dプリンターは、光造形タイプで高精度での造形が可能です。クライアントの要望に合わせたプロトタイプを短時間で作成することができ、さらには修正や改善点を素早く反映することもできるため、スピーディーな対応が可能になりました。
また、3Dプリンターは製品のデザインの自由度が高く、細かなディテールまで再現することができます。これにより、よりクライアントの要望に沿ったプロトタイプを作成することができ、クオリティの高い製品開発につながると期待しています。
3Dプリンターを導入することで、プロトタイプ作成のプロセスが大幅に効率化されるとともに、クオリティの高い製品開発が可能になりました。今後も、クライアントの要望に迅速かつ正確に対応するために、3Dプリンターを活用していきたいと考えています。
img
2022年3月6日 アイデア商品の製造から販売までお手伝い
 2022年3月6日
世の中にはいろいろ商品の良いアイデアは持っているけれど作り方はわからないし販売方法もわからないという方はたくさんおられます。弊社のホームページには製造のご依頼はよくいただくのですが、同時にネット販売のご相談も承っております。生活雑貨インテリア商材に関してはプラスチックに限らず木製品、金属製品、布地製品なども試作段階からお手伝いさせていただきます。電気製品などは今のところLEDライトなどだけで家電製品分野はあまり得意としておりません。イニシャルコスト・ランニングコスト・ロイヤリティ・リスク分担については特に決めごとを設けていませんので案件ごとに協議させていただきます。内容によって特に公序良俗に反するような商品はお断りさせていただく場合もございますのであらかじめご了承ください。また海外生産・調達のご相談も承ります。

販売は弊社ネット通販(楽天・アマゾン・YAHOO・aupayマーケット・自社サイト)での販売のお手伝いとなります。有償にはなりますが商品の撮影からページ制作までお受けいたします。すでにお持ちの商品もテスト販売のような形からでも結構ですのでお気軽にご相談ください。

弊社運営 ECサイト
Semi-Style 楽天市場店 – 収納家具からアウトドアまで揃う家具通販
組み換え自由な収納家具通販サイト – CUBE BOXα(キューブボックスα)公式ショップ
noconocoキッチン
2022年2月19日 インサート成形
 2022年2月19日
射出成形におけるインサート成形についてご説明いたします。
プラスチックと金属などの異素材の複合製品を作りたいとき、射出成形時に金属などのパーツを金型にインサート(挿入)して樹脂を流し込み、一体物にしてしまう方法があります。これをインサート成形と呼びます。

これに対してプラスチック部品に後加工(接着やビス止め、溶着)などで別パーツを付加することをアウトサートと呼びます。

インサート成形のメリットは挿入物インサートを樹脂で物理的に包み込んでしまうために接着強度などの心配が少ないことです。(抜け止めなどの設計上の工夫が必要ですが)

射出成型機は一般に横型(金型が横に開く)が多いのでインサートの金型内での保持には金型の設計上の工夫が必要です。これに対し数は少ないですが縦型の成型機は金型が縦開きで下型(コア側)にインサート品を置く形でセットできるので金型構造も比較的簡素化しやすいです。

コスト面ではインサート成形ではインサート作業をロボットで自動化しない限り有人でセットしていく事になりますので時間当たりのチャージ料は機械チャージ+人件費となります。またインサート後、樹脂を射出して固まるまでの冷却時間が人の手待ち状態になるのでサイクルの長い製品ではコストアップにつながることもあります。

アウトサートにしてもインサートにしてもその作業内容でコスト面は大きく違ってきますのでどちらが有利かは品質面もあわせて設計段階で詰めていく事が必要です。
2017年6月8日 厚肉成形品の射出成形機による発泡成形
 2017年6月8日
透明アクリルの厚肉成形は別として射出成形で肉厚の製品の一番の問題点はヒケであろうかと思われます。
射出成形のセオリーでは設計上できるだけ厚肉部分を作らないように肉ぬすみを設けますが
構造上、それが出来ない場合のヒケ対策のひとつの手段として発泡成形があります。

発泡成形には物理発泡と化学発泡の2種類があります。

物理発泡とは加熱溶融した樹脂に対して、N2ガスやCO2ガスを発泡剤として成形機に注入して成形する方法で、ミューセルやガスインジェクションなどがありますが、専用の金型と射出成形機が必要となります。こちらは当社では設備しておりません。

化学発泡とは熱可塑性樹脂原料に発泡剤を添加して射出成形することにより金型内で化学的に発泡させる方法で既存の射出成形機と金型で成形することができます。
大きなデメリットとしては外観が非常に悪いことが挙げられます。表面にフラッシ(銀条)が一面に発生します。
意匠を気にしない製品に限られますが、場合によってはその銀条を木目風に見せて製品化しているものもあります。

外観を必要としない厚肉成形品であれば金型の簡素化(ローコスト化)、成形品の大幅な軽量化に有効です。
当社ではPP、ABSでの製品化の実績がございます。詳しくはお問い合わせください。
2017年3月14日 切削モデリングマシン導入しました。
 2017年3月14日
製品開発のステップで欠かせないのが試作モデルの製作です。この度お客様の試作ニーズにスピーディーにお応えできるようモデリングマシンを導入いたしました。
最近は3Dプリンターの最新機種が次々と出てきていますが、今回はあえて切削式のモデリングマシンを選択いたしました。
3Dプリンターでは検証できない素材の質感や性能をある程度近いところまで検証できます。
しばらくは色々なものをテスト的に削っていますが、もし切削でこんなものを作ってみたいというご要望があればお問い合わせください。お急ぎのものでなければ当分の間、試験期間キャンペーンとして材料費のみでモデル製作させていただきます。あまり大きなものや精度を必要とするのもはできませんが250×350×110ぐらいのものまで切削可能です。素材はABS、PP、POM、アクリル、6PA等が可能です。3Dデータがあれば早いですが、無くても当社で作成可能です。

img
2016年11月7日 蓄光顔料を混ぜ合わせた蓄光プラスチック原料を使った試作を行いました。
 2016年11月7日
こんにちは 営業部の杉本です。
久しぶりの投稿になります。

先日、開発段階の蓄光原料をわけていただきましたので自社製品で蓄光プラスチック樹脂原料の成形テストを行いました。

蓄光原料自体は以前から世間一般にありますが、今回分けていただいた原料は通常の蓄光原料より発光時間が長い事と完全防水で屋外使用可能な事が特徴です。
蓄光原料の純度はおよそ80%が一般的ですが今回の原料は98%と高純度になっており、一般的な蓄光製品が暗闇で約3時間ほどの発光するのに対し今回の原料は約7時間発光し続けます。(蓄光時間や発光性は混ぜ合わせる分量によっても異なります。)

万が一、夜に停電が起きても、朝が来るまで発光しますので、地震などの緊急時の災害対策商品、防災関連グッズとしての需要が見込めます。
停電の際など、暗闇で光るプラスチックでできた表示板などがあれば、出口までの目印になります。

ところで、蓄光プラスチック樹脂材(蓄光原料)とは・・・
ベースとなる原料に蓄光顔料や蓄光マスターバッチなどのプラスチック蓄光材を混ぜ合わせた樹脂原料のことを指します。
(今回はポリカーボネートに20%の割合でブレンドしました。)
蛍光灯や自然光などの光を吸収し、蓄えた光エネルギーで発光するので部屋や外が暗くなると効果を発揮する特殊な原料です。
そのため蓄光原料を使用することで、光る樹脂製品を作ることが可能です。余談ですが子供の頃、部屋の天井に星のシールを貼っていました。あれも蓄光ですね。
今回、弊社ネットショップで販売している「キューブボックスα 木扉鍵付き」に使用する樹脂パーツで射出成形試作を行いました。
img

■実際に付けてみました。
img

■暗闇ではこのように光ります。img
とても綺麗な色で発光しております。

■明るさは一旦落ち着きますが目視でわかる十分な光度です。
■暗闇ではこのように光ります。img

今回の試作で感じたことをまとめます。

蓄光原料を使った製品の成形条件について
■使用原料のベースはPC(ポリカーボネート)でしたが、通常の成形条件で問題無く作成することが出来ました。
※蓄光マスターバッチの割合が多い場合は金型離型時に製品が割れる可能性があります。

製品状態について
■製品の外観はガラスが入ったような印象で、少しザラザラしております。使用用途によりますが、自社製品とはマッチしておりました!!
■撮影する際、部屋を暗くするとすぐに発光が確認できました。
しばらく暗い部屋に置いたままでしたが、それでもしっかり発光していました。
その後一旦明るさは落ち着きますが目視でわかる明るさで安定しますので暗い空間ならば十分だと感じました。
ただ、発光するには蛍光灯や自然光での蓄えが必要ですので、発光しなくなれば光が必要になります。
※自社製品「キューブボックスα 木扉鍵付き」では現在、蓄光プラスチック樹脂を用いた蓄光シリーズは販売しておりません・・・
2016年1月13日 CO2削減の小さな一歩
 2016年1月13日
プラスチック製品を扱う当社にとってCo2排出に伴う地球温暖化は大きな関心ごとの一つであります。地球が本当に温暖化に向かっているかどうかは議論の分かれるところですが、産業革命以来、化石燃料を燃やすことによって大気中に多くのCO2を排出していることは疑いようがありません。

当社では過去のブログでもご紹介したように、石油を使わない植物由来のプラスチック製品を手がけておりますが、コストと品質維持(特に外観)の難しさからPPなどの汎用樹脂に大きく取って代わるまでには至っておりません。その中で、現在お取引いただいている企業様から生分解の包装資材(ブリスターパック)を製造している過程で発生する端材を再利用するご提案を受け、当社の自社製品の収納家具の仕切りとして使用するエコ商品を企画いたしました。

キューブボックスαの仕切り板で使用しているABS樹脂をこの再生原料に置き換えるだけですが、地球にやさしい商品が出来上がりました。通常品は白色のこの製品ですが、端材を使っているため色が安定しませんでしたので黒のみといたしました。また生分解性特有の外観の問題も解消し切れませんでしたが、使用する場所も見えにくい所ということもあり、ご理解していただける環境意識の高いお客様にお選びいただけることを期待しております。

img
img

コストも通常品より若干ではありますが低く抑えることが出来ましたのでお安くご提供することも考えましたが、更なるCO2削減に向けて地球緑化のため、コストの差額(キューブボックスα 仕切り板タイプ 一つ売り上げるごとに100円)を緑の募金に寄付させて頂くことにいたしました。
地球とこども達の未来のため、キューブボックスα(仕切り板タイプ)をお求めの際は、是非このエコタイプ(黒)をお選びいただきますよう宜しくお願いいたします。
2016年2月発売
2015年11月2日 成形品のボイド不良
 2015年11月2日
成形品の不良のひとつにボイド不良があります。

ボイドとは成形品の内部に出来る「気泡」のことです。特に肉厚の成形品に多く見られます。これがあることによって製品に必要な強度が出なかったり、透明品などでは外観不良になったりします。

ボイド不良は発生原因によって大きく2種類に分けられます。

1つは成形時に金型内で空気やガスを巻き込み気泡として成形品に残るものです。この場合は成形条件でガスの発生を抑えたり、射出スピードで空気の巻き込みを抑えるよう調整するか金型にガス抜きを追加することで対処します。それでも流動末端に出来てしまうボイドには、成形後に切って捨てる部分を作って、そこにボイドを追い込んでしまう方法もあります。

もうひとつは特に肉厚成形品で樹脂が冷え固まるときに収縮して内部で真空の状態で出来る気泡で、一般に真空ボイドを呼んでいます。成形品の外側が収縮すればヒケになりますが内部が収縮すると真空ボイドになります。成形条件で樹脂の充填率を上げるか、金型でゲート位置をボイド近くに変更するか薄肉にするしかありません。

いずれにしても透明の樹脂ならボイドは発生しているかどうかは見てすぐにわかるのですが着色された樹脂だと成形品を割ってみないとわかりません。同じ成形条件でも発生するものと発生しないものがあり、安定させるのは非常に困難です。肉厚の製品を設計する場合、真空ボイドは発生するものとして強度設計する必要があります。

どうしても検査が必要な場合は光を透過させてボイドを発見する方法もありますが、ナイロンやPPのナチュラルのような乳白色が限界だと思われます。
2015年11月2日 可塑剤の移行とは
 2015年11月2日
プラスチックの成形品で市場に出てしばらくしてから発生するクレームのひとつに「可塑剤の移行」があります。

これはプラスチック成形品と可塑剤の多く入ったゴムや塩ビを使った製品が長期間接触し続けると、その可塑剤がプラスチック成形品に移って劣化させてしまい、いろいろな不具合を生じさせる現象です。

可塑剤というのは塩ビ等のゴム類や樹脂等に入っている添加剤のことです。ゴムや樹脂の柔らかさを維持するために配合されています。シーリング材や弾性塗料にも使われています。

皆さん消しゴムを、プラスチックの筆箱や机の引き出しのプラスチックトレーの中に長期間入れっぱなしにしていたり、塩ビシートの床材の上にプラスチック製品を置いていて、久しぶりに動かそうとすると相手方のプラスチックにべったりと貼り付いていたり色が移っていたりしたことはありませんか? これは消しゴムや塩ビシートに含まれる可塑剤が染み出して相手方の成形品に移ってしまうために起こる現象です。

可塑剤の移行は使用される環境や期間によってゆっくりと現れるため、製品の設計や試作段階では検証できないことが多く、市場にでまわってからクレームになることがありますのでその製品が可塑剤を多く含んだゴムや軟質塩ビを使った製品と接触し続ける場合はその影響を考慮してプラスチック原料を選定する必要があります。

一般に耐薬品性の弱いABSなどは要注意です。POMやPPなど耐薬品性の強い樹脂であれば比較的安心です。
2015年2月27日 プラスチックの金型費ってどれくらい?
 2015年2月27日
ホームページを更新してから色々なお客様からお問い合わせやご相談を多く頂くようになりました。

プラスチックでこんな製品を作りたいというお話を頂く中で、プラスチック成形についてよくご存知のお客様もいらっしゃいますが、全くご存じない方も多く、お見積もりをさせて頂いた時まず驚かれるのが金型費用の高さです。

プラスチック金型といっても、成形方法の種類は様々です。
中でも複雑な形状を安く大量に生産できる「射出成形」は、プラスチック成形の中でも主流を占めますが、その他の成形方法(真空成形・押し出し成形・ブロー成形)などと比較すると金型にかかる費用は、場合によっては0が一桁多い場合もあります。

当社の経験の中で最も安い金型(製品が小さく単純な形状のもの)でも40万~、高い金型(製品が大きいもしくは形状が複雑なもの)では2000万円を超えるものまであります。

どの成形方法を選択するかはその製品の形状によってほぼ決まってくるのですが、中には複数の選択肢が取れるものもあります。

その場合は

・生産量(ロット)

・金型予算(初期投資)

・ターゲット製品単価(ランニングコスト)
によってご提案させていただきます。

たとえば射出成形(インジェクション成形)と真空成形の両方の成形方法が可能な製品の場合、
射出成形では金型費300万円・製品単価150円のお見積もりに対して
真空成形では金型費50万円・製品単価1000円などとなるわけです。

つまり生産量が見込めるならば、初期投資は高くても射出成形が長い目でみればコストを低く抑えられますし、逆に数が見込めないのであれば真空成形の方がリスクを低くおされられます。

これはあくまで一例で先にも言った通り、どの成形方法を選択するかは形状等その他色々な条件が関わってきます。

まずはお気軽にご相談ください!
2015年2月12日 移管金型
 2015年2月12日
近年、お客様からの移管金型が増えてきています。長引く不景気のためか後継者がいない等の理由で廃業される同業者も多く、また円安の流れで海外から移管されてくる金型も増えてきているようです。それら金型の多くは、極端な小ロットであったり、コストが異常に低く抑えられているもの、中には品質上の問題を抱えていたりと様々です。

そういった理由ではじめから受け入れを拒否される企業様も多いようですが、当社では出来るだけお断りしないように心がけています。大抵の場合、一度金型をお預かりしてテスト成形をした上で、お見積もりさせていただくことになります。(金型補修が必要な場合は同時にお見積もりさせていただきます)

金型メンテナンスについてもメンテナンス専門の金型業者と提携しておりますので金型図面が無くてもほとんどの場合、修理・改造は可能です。

極端な小ロットについては加工費(実働時間×機械チャージ)と原料費(最低25kg~)の合計でのご請求となりますのでご了承ください。

その他ご不明な点があればご遠慮なくお問い合わせください。
2015年2月12日 太陽光が当たると色が変わるUV吸収剤入りプラスチック
 2015年2月12日
こんにちは、営業部 杉本です。
最近、問い合わせが増えてきました「UV吸収剤入り樹脂」について少し説明させていただきます。
まずはこちらをご覧ください。

img↑こちらが通常時
img↑こちらが吸収時




見てお分かりになると思いますが、紫外線を吸収すると色が変わります。

img
img


こちらの樹脂は、太陽の光(紫外線)を吸収し化学反応を起こします。
このような特殊な材料を総称で「合成樹脂添加剤」と言います。
見た目の変化だけではなく、プラスチックの劣化を防ぐ効果もあります。
これはプラスチックに耐光性をつけることにより、有害な紫外線を無害な物に変化しているからです。

ちなみに色は他にもあります。
img
img
樹脂以外になると

紫外線吸収剤は車の窓ガラス・サングラスなどにも使用されています。
※クロモトロビズム=可逆的変色
・フォトクロミズム=光によって色が変化する。
・サーモクロミズム=熱(温度)によって色が変化する。
・エレクトロクロミズム=電気によって変化する。
・ビエゾクロミズム=圧力によって色が変化する。
まだまだ不明な点が多い物質ですが、逆にまだまだ可能性があると思います。

これらを樹脂に使うことによりこれまでにない製品を作り上げていきたいです。
このUV吸収剤を用いた製品の製造事例はこちらです。
2015年1月19日 ヒンジ製品に使用する原料「ヒンジグレード」とは・・・
 2015年1月19
こんにちは 営業部 杉本です。
明けましておめでとうございます、本年も何卒宜しくお願い致します。
今年最初の投稿をさせていただきます。

ヒンジ製品を成形する際によく選定される原料(PPヒンジグレード)について書かせていただきます。

img
img
img

まず、ヒンジ製品を成形する際に起きる問題とは何か。
それはヒンジ部分の「割れ」「白化」などです。

これはヒンジ部分が曲がる際に力が加わることによって起きる現象です。
通常の原料グレードで成形すると上記のような問題が発生することがありますが
「ヒンジグレード」の原料を使用すればそのような問題は解決出来ます。
通常の原料ですとヒンジ部分の薄い肉ではすぐにパキッと割れてしまうことがありますが
ヒンジグレードで成形すれば薄い肉のヒンジ部分は柔軟になりすぐに割れることはありません。
ヒンジ部分の耐久性はぐんと上がります。

しかし成形時には色々な注意点があり、ただ成形すれば良い、というわけではありません。
金型から出てきたらすぐにヒンジ部分を曲げて矯正する等、様々な注意点があります。
ヒンジ部分は重要な箇所になりますので、慎重に成形したいですね。

弊社ではヒンジ成形品の対応を多くしておりますので
なにかお困りの件がございましたらご相談ください。
※形状・外観のヒケなどを重要視する際はヒンジグレードを使わずブロックタイプを選定することもあります。

※PP(ポリプロピレン)のグレード一覧
ホモタイプ・・・高剛性、高耐熱性
ランダムタイプ・・・高透明、高光沢
ブロックタイプ・・・高靭性、高剛性
2014年11月5日 生分解性樹脂ってどうなの?
 2014年11月5日
数年前から度々取り上げられるプラスチック材料に生分解性樹脂っていうものがあります。
「環境にやさしい」「土に帰る」 色んな言い方で注目されてきましたが、なかなか汎用化しませんね。
そもそもプラスチック長所って腐らない、分解しづらいって所にあるのに、腐ります、土に帰りますってどうしても矛盾が出てくるんですよね。で、最近求められるのが結局、従来のプラスチックと同等やそれ以上の耐久性、耐熱性などの物性を求められる生分解性樹脂(もうこうなると生分解とは呼べませんが・・)と言うことになります。・・で最近のキャッチフレーズは「植物由来樹脂」「カーボンニュートラル」と変化してきています。つまり石油を原料としないプラスチック。大気中のCO2を吸収して育った植物を原料にしているのでたとえ自然に分解しなくても焼却したときに排出されるCO2はプラスマイナスゼロ・・つまり「カーボンニュートラル」だという理屈です。
現在はこちらの方向でポリ乳酸などをベースに高機能化が進んでいるようです。
当社でもユニチカさんのテラマックという材料で製品化された商品がいくつかあります。ポリ乳酸を高機能化するためにポリカーボネイトとアロイにしたりしますが、かなり高価な材料なってしまいます。それでもヨーロッパへの輸出する製品には積極的に採用されています。(欧州は環境意識が高いんですね)

その植物由来樹脂(主にサトウキビなどから作られる)は最近ではPLA(ポリ乳酸)が代表格ですが、実はもっと以前から植物由来樹脂は存在してたんです。謳い文句には使われていないので、あまり知られていませんが「ポリアミド11」がそれで11ナイロンなどとも呼ばれています。この樹脂は植物から抽出されるひまし油を原料としていますのでカーボンニュートラルに近い樹脂であるといえます。また耐熱性など機能性も高く、実際に自動車のエンジン周りのダクトなどにも採用されています。代表的な商品名に「リルサン」がありますのでご興味があれば検索してみてください。

本当の意味での生分解性プラスチックにはでんぷん系のバイオマスプラスチックがあります。とうもろこしや米など天然資源のでん粉を変性することにより、疎水性と熱可塑性をもたせプラスチック化したものです。

当社もこの材料を使って何度かインジェクション成形を試みた経験はありますが、工場がおせんべいとプラスチックを足して2で割ったような異臭(決しておいしそうな匂いではない)に包まれて社員からギブアップを頂きました。用途としても冒頭に述べたとおり、プラスチックの代替品としては難しいように感じました。園芸関係者の方から育苗トレーなどに使えないかとのお問い合わせも頂きましたが、一体、どれぐらいの期間で分解するのかが解らなければ製品化しようがないとのことでした。ある一定の環境下でデータを取ることは可能なのでしょうが、製品の肉厚や市場に出た後の保管、使用状況は千差万別で仮にそんなデータを取ったところで意味を成さないとのことでした。(まあ当たり前ですね)今のところ、私の知っている範囲で本当の意味で実用化されているのは農業用のフィルムシート又は包装資材ぐらいではないでしょうか。勉強不足なら申し訳ありません。というわけで・・ポリ乳酸(PLA)成形についてはお気軽にお問い合わせください。

ではまた。