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アニール処理

アニール処理は、
樹脂成形品の
「寸法安定・衝撃強度向上」

アニール処理とは、材料の残留応力を取り除くための熱処理の一種です。
加工や成形の過程で生じた内部の応力を緩和し、製品の寸法安定性や機械的特性を向上させる目的で行われます。
樹脂加工において重要な工程であり、製品の歪みや割れを防ぐ効果があります。

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セミー工業では吸水のデメリットを回避しつつ強度向上が可能です。

これとは別にナイロン製品(ポリアミド6)を強制的に吸水させて衝撃強度を上げることもアニール処理と呼んでいます。
基本的にナイロン樹脂は、吸湿性があり吸水することにより寸法安定、衝撃強度が向上します。

成型直後は絶乾状態となり、衝撃強度が1/10以下に低下しており、成形品の割れクラック等の発生原因となります。簡単に言うと乾燥したおせんべいは簡単に割れるけど、湿ったおせんべいは柔軟性が出て割れにくいってことです。
実際の処理は成形品を熱湯の中に一定時間、浸しておくことでプラスチックの分子の間に水をしみこませていくのです。ただこれには下記のような問題点がありました。

・熱湯に浸す為、温度管理が難しかった。(吸水率が一定にならない)

・成形品が濡れてしまう為、水切り等の手間が生じた。

・熱湯に浸す事により、急激に熱がかかり、変形を起こす原因となっていた。

・成形品から水中に染み出た添加剤や未重合のモノマー等が白い汚れとなって製品に付着し、除去に手間がかかった。
これを解決したのが当社で導入している「カトマンアニーリング装置」です。
この装置はチャンバー内で高温多湿の空気を循環させてナイロン成形品に含水をさせます。

これも簡単に言うと機械的にコントロールされた蒸気を使った「蒸し器」です。
これによって上記の問題は解決され、吸水率の管理も可能となりました。