樹脂成形コラム

エラストマー

樹脂成形コラム

2013年11月20日

ゴムと熱可塑性エラストマーが混同されることが多いのでこの機会に整理しておきます。

 

熱硬化性エラストマー

一般にゴムと呼ばれるものがこれにあたります。ゴムの中にも原材料に加硫剤を混錬したのち加熱することで得られるものを加硫ゴムといい天然ゴムや合成ゴムがあります。

多くの配合剤(充てん材、老化防止剤、可塑剤、架橋剤等)を原料ポリマーに配合し、架橋(加硫)工程を経て成形品になります。分子構造的には分子内に架橋 点を持ち、3次元の網目構造になっているので、材料の流動性を防止することができます。

ですから、高温において加圧されても分子が流動しないので熱変形し にくくなっています。逆に言い換えれば再成形が簡単でないことになり、現在の潮流であるリサイクルには向かない材料とも言えます。

樹脂系のエラストマーにウレタンゴム・シリコンゴム・フッ素ゴムがあります。

 

 

 熱可塑性エラストマー

プラスチックの成形と同じように射出成形により材料を溶融させて成形品となります。一般的には、分子内に架橋(結合している部分)はなく分子内の硬質層の 分子グループにより分子を拘束状態にして流動することを防止しているだけで、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る性質を持ち ます。

つまりゴムとは逆に再成形をすることができるので、その成形工程の単純化とあわせて、省エネルギー、省資源対策に適していると言えます。ただ熱に よって変形するため耐熱性を要する用途には適しません。スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、アミド系などがあります。

当社の専門は後者になります。過去ではウレタン系エラストマーを使って、ゴルフシューズのソールなどの成形も行っていました。最近では透明のアクリル系のエラストマーなどの実績もあります。

 

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