樹脂成形コラム

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生分解性樹脂(ポリ乳酸)

樹脂成形コラム

2011年11月2日

当社では数年前より生分解性樹脂の製品化に取り組んでおります。
一口に生分解性樹脂といっても色々ありますが、メインの流れはやはりポリ乳酸(PLA)でしょう。
ただ最近は生分解性が謳われることは少なくなり替わりにカーボンニュートラルの特性が注目されてきています。
 二酸化炭素を光合成で取り込むトウモロコシやサトウキビなどの植物を原料にしているため二酸化炭素の排出はプラスマイナスゼロという考え方です。

 ポリ乳酸は耐熱性など課題も多く、まだ価格も汎用樹脂に比べ高めであることからなかなか普及しませんでしたが、ABS、PP、PCなどとのアロイで各原料メーカーが開発に鎬を削っており、かなりの部分で改善されてきております。

 当社でも環境意識の高いお客様からの要望に応える形でエレクトロニクスの筐体やディスプレイ製品、樹脂クリップやファスナーなどの文具用品にご採用いただいております。

 最近は包装資材もポリ乳酸のシートが使われることが多くなり、その生産の過程で排出される端材をリペレット化して汎用樹脂並みの価格で射出成形でポリ乳酸製品を作る技術を開発しました。ご興味のある方はご一報ください。

 ポリ乳酸の他にもお米を原料にしたもの、イモのでん粉を原料にしたものや耐熱性を上げるため粘土やホタテの貝殻を粉末にしたものをフィラーとして混ぜたものなどもテストしたこともありましたが一長一短があり実用には至っていません。

 こういった環境に優しい樹脂はこれからも注目されていくでしょうが今のところやはり何か犠牲にしなければいけないのが現状ですね。それがコストなのか、外観なのか、物性なのか。いずれにしてもこれから少しずつ改善されていくでしょう。

 

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